2022年11月1日に金融庁から報道資料が公表されました。
●「中小・地域金融機関向けの総合的な監督指針」等の一部改正(案)の公表について
今回の改正案は画期的です。
2023年4月からは、「経営者保証」が不要となる企業が今までより増える可能性が高くなりました。
今回の改正における、経営者保証に関する部分のおもな内容は以下の通りです。
個人保証を求めるとき金融機関は説明義務を課せられる
現行では、金融機関が個人保証を求める際、「必要に応じ、保証人から説明を受けた旨の確認を行うこととしているか」と確認のみを行えばよいことになっています。
しかし改正案においては、「保証人に対し説明をした旨を確認し、その結果等を書面又は電子的方法で記録することとしているか」と、確認した内容を記録し、金融庁に報告しなければならなくなりました。
金融機関にとっては、個人保証を徴求する際の手続きがかなり煩雑になります。
個人保証を徴求する際の理由の説明
現行では「経営者等との間で保証契約を締結する場合には、「経営者保証に関するガイドライン」に基づき、以下の点について、主債務者と保証人に対して丁寧かつ具体的に説明を行うこととしているか」と金融機関は「保証契約の必要性」についての説明を行うだけでよいことになっています。
一方、改正案では「どの部分が十分ではないために保証契約が必要となるのか、個別具体の内容」と「どのような改善を図れば保証契約の変更・解除の可能性が高まるか、個別具体の内容」についての説明を行わなければならなくなりました。
「経営者保証に関するガイドライン」の内容をクリアしているのにもかかわらず、金融機関が経営者保証を徴求する場合は、保証人が納得できる「合理的かつ具体的な説明」を行わなければならなくなるということです。
その説明ができない場合、金融機関は経営者保証を徴求できなくなります。
また、「合理的かつ具体的な説明」を行い、経営者保証を徴求する場合でも、「どうすれば経営者保証を解除することができるのか」について、金融機関は具体的な説明を行わなければならなくなります。
つまり、その基準をクリアすれば、企業は経営者保証の解除を請求できることになります。
経営者保証に関するガイドライン
2023年4月から、「経営者保証に関するガイドライン」の要件をクリアしている企業は、「経営者保証なし」で融資を受けられるようになるでしょう。
経営者保証に関するガイドラインの要件は、以下の3点です。
(1)資産の所有やお金のやりとりに関して、法人と経営者が明確に区分・分離されている
(2)財務基盤が強化されており、法人のみの資産や収益力で返済が可能である
(3)金融機関に対し、適時適切に財務情報が開示されている
中小企業庁のサイトには、「経営者保証に関するガイドライン」をはじめ「経営者保証」について解説したページがあります。
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