公庫融資借換特例制度をご存じですか? メリット・デメリット
- 喜連川 慎也
- 2023年3月17日
- 読了時間: 3分

同額借換ができるのは、コロナ融資だけではありません。
コロナ融資の返済開始事業者が増えるにつれ、「今の売上・利益・財務状況では不可能。どうにかできませんか」という相談が多くなっています。
日本政策金融公庫「公庫融資借換特例制度」とは
日本政策金融公庫に同額借換を依頼すると、拍子抜けするほどスムーズに対応してくれることが少なくありません。
その理由は、「公庫融資借換特例制度」。受け皿の制度が用意されているからです。詳しくはこちらをご覧ください
。
「公庫融資借換特例制度」が利用できる既存融資
「公庫借換特例制度」を利用できるのは、「新型コロナウイルス感染症特別貸付」だけではありません。以下の制度からの借換ができます。
●経営環境変化対応資金
●金融環境変化対応資金
●東日本大震災復興特別貸付
●令和元年台風第19号等特別貸付および令和2年7月豪雨特別貸付
●事業再生・企業再建支援資金
●事業承継・集約・活性化支援資金
●新型コロナウイルス感染症対策挑戦支援資本強化特別貸付
●挑戦支援資本強化特別貸付制度
借換によるメリット:据置期間の繰り延べ、リスケ回避
新型コロナウイルス感染症特別貸付を借り換える場合、「返済期間20年以内(うち据置期間5年以内)」です。借り換えることで、据置期間が延ばせるメリットを得られます。
一方、新型コロナウイルス感染症特別貸付以外の制度で借り換える場合、据置期間は原則1ヶ月以内。据置期間の繰り延べ効果は望めません。
しかし既存の融資の返済期間が短い場合、借換を行うことで毎月の返済負担額を減らすことができます。
通常、毎月の返済負担額を減らしたい場合は「リスケ」するしかありません。が、リスケすると信用格付けが落ちてしまうため、新規融資を受け付けてもらえなくなるデメリットがありました。
「公庫借換特例制度」で借換を行えば、毎月の返済負担額が減るのに信用格付けは落ちません。新規融資が必要な場合も、俎上に乗せてもらえます。
借換によるデメリット:コロナ融資に関しては金利が上がる可能性あり
「新型コロナウイルス感染症特別貸付」関しては、以前の借入れタイミングによって、金利が上がる可能性があります。
たとえば2021年3月に「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を借りた事例。2024年3月までは無利子ですが、借り換えた瞬間から金利の支払いが必要になります。
中小企業事業での「新型コロナウイルス感染症特別貸付」の3月時点の金利は、「基準金利(1.2%~2.0%)-0.9%」。金利負担が発生することになりますね。
また、国による「スーパー低利融資による支援」は今のところ2023年9月末までなので、10月以降は金利が上がる可能性があります。
低利での「新型コロナウイルス感染症特別貸付」借換を希望する事業者は、急いで公庫に相談に行きましょう。
【ご注意】「公庫融資借換特例制度」は、中小企業事業が対象です
日本政策金融公庫には、「国民生活事業」と「中小企業事業」の2つの窓口があります。
「国民生活事業」は小規模事業者が対象で、「中小企業事業」は少し大きな中小企業が対象となっています。
借りられる金額も、「中小企業事業」のほうが「国民生活事業」よりも大きいです。
今回紹介した「公庫借換特例制度」は「中小企業事業」の制度で、「国民生活事業」にはこのような制度はありません。しかし「国民生活事業」の場合、「同額借換」を依頼すると、「中小企業事業」の「公庫借換特例制度」との絡みがあるので積極的に対応してくれます。
「国民生活事業」で「新型コロナウイルス感染症特別貸付」を同額借り換えしようとする場合は、「同額借換でお願いしたいのですが」と申し出れば、基本的には前向きに対応してもらえますよ。
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