資本性ローンが持つメリットは、たしかに魅力的です。しかし「すべての企業にとって」ではありません。
資本性ローンとは
資本性ローンとは、以下のとおりです。
金融機関が皆様の財務状況等を判断するに当たって、負債ではなく、資本とみなすことができる借入金
返済日(償還日と言います)まで借入金の元本返済がないため、資金繰りの改善には寄与しますし、「資本性ローン」は借入であっても資本金とみなされるので、見た目の財務内容がよくなります。つまり、金融機関から新規融資が受けられやすくなるメリットがあります。
資本性ローンは借りやすいか?
上記資料にある資本性ローンは、スタートアップ企業や企業再建に取り組む、どちらかと言えば「資金繰りが楽ではない企業」向けの制度ですが、実際のところ今までそういった企業がこの資本性ローンを日本政策金融公庫から借りることができた事例は少ないです。
どちらかというと普通に融資をしてもらえるような、財務内容のよい企業でないと貸してもらえない傾向が強かったのです。
公庫の担当者の多くがこの資本性ローンを取り扱ったことがないため、あまり前向きには取り組んでもらえなかったようです。
私は資本性ローンをおすすめしません
最長15年での一括償還なので、借りることができれば資金繰りは楽になります。
しかし業績や財務内容の良くない企業は借りにくいですし、業績が良い企業にはメリットがあまりありません。
というのも、上記の経済産業省の資料には書かれていませんが、この資本性ローン、業績が良くなれば良くなるほど、金利が高くなるのです。
日本政策金融公庫の国民生活事業の「挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)」には、こうあります。
利率(年) ご融資後1年ごとに、直近決算の業績に応じて、貸付期間ごとに3区分の利率が適用されます
挑戦支援資本強化特例制度(資本性ローン)
貸付期間が12年超15年以内の場合で見ると、「売上高減価償却前経常利益率」が0%未満であれば金利は1.05%と低利なのですが、0%以上5%以下になると金利は3.65%に跳ね上がりますし、利益率が5%を超えるとなんと6.2%になります。
業績が良く、その好業績が何年も続くと、とんでもない金利になってしまいます。
もし資本性ローンを借りるなら
今まで公庫の「資本性ローン」は業務内容や財務内容がよい企業にしか貸してくれないというイメージが強かったので、好況の企業には私はあまりおすすめしていませんでした。
が、本当に資金繰りや業績が厳しいスタートアップ企業や企業再建に取り組む企業に対して公庫が前向きに取り組んでくれるなら、資金繰り面、また新規融資を得やすくなるといった各種メリットを享受できるでしょう。そういった状況の企業なら、この資本性ローンを使っても良いのではと思います。
借りるときはおそらく、精緻な事業計画書を作ることが必要条件となるはずです。「返済可能性が高く、根拠のある事業計画書」を作成しないと、公庫も積極的に取り扱ってくれないと考えられます。
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#喜連川 慎也
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