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中小企業のメインバンク作りの方法と手順

更新日:2022年6月26日



北摂吹田市の資金調達コンサルタント(融資コンサルタント) 喜連川慎也です。

2022年3月10日(木)の日本経済新聞・大阪地方版の記事で、「国の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の元本返済が2023年度に本格化するのを控え、メインバンクを持たない中小企業の支援が大阪で課題となりつつある」とありました。

もくじ

  • 記事の概要

  • 民間金融機関との関係が希薄な事業者は今後さらに厳しく

  • 新規融資を申請するか、条件変更による返済猶予を依頼するか?

  • 懇意にしている取引先には前向きに支援してくれる

  • 前向きに支援してくれる関係性構築の方法

    • 金融機関の内側


  • 業況説明に持参する資料2点

  • 中小企業のメインバンクづくりを支援しよう

  • 【月次事業報告書】をプレゼントします


記事の概要

この記事を要約すると、以下のとおりです。

●大阪信用保証協会が保証したゼロゼロ融資は足元で約8万1000社が利用。単純計算で3割に達する ●2023年度にゼロゼロ融資の返済がはじまるケースが最も多く、全体の31%にのぼる ●大阪でのゼロゼロ融資の利用者のうち、民間金融機関から通常の融資も受けているのは半数弱にとどまっている ゼロゼロ融資だけを借りている企業は、金融機関との関係が希薄で支援の手が回りにくくなる可能性がある

   ※ゼロゼロ融資とは「民間金融機関における実質無利子・無担保融資」で、日本政策金融公庫の「新型コロナウイルス感染症特別貸付」とは別です  

民間金融機関との関係が希薄な事業者は今後さらに厳しく

なかでもとくに注目したい要点は、2つ。

1/多くの事業者は、ゼロゼロ融資の返済が2023年度から本格化する 2/民間金融機関との関係性が希薄な事業者は、資金繰りが悪化しても助けてもらいにくい

  コロナの影響を受けて業績が悪化したままの事業者は、ゼロゼロ融資の返済が始まればより資金繰りが厳しくなります。

金融機関から借りた資金を返済できなければ廃業せざるを得ない事業者が、これから増えるのではないかと…という指摘です。  

新規融資を申請するか、条件変更による返済猶予を依頼するか?

ゼロゼロ融資の返済が始まっても資金繰りが苦しくて返済できない場合、生き残る方法は2つです。

1/新規融資による資金調達 2/条件変更による返済猶予

  しかし1の新規融資を受けたくても、ゼロゼロ融資を借りた金融機関との関係が希薄だと、再度の融資依頼に応じてくれる可能性には期待できないでしょう。

また、2の条件変更による「返済猶予」を依頼しても、同じような依頼が同時期に金融機関に集中する状況が予想されます。関係性が希薄な金融機関だとスピーディかつ親身に対応してもらえないことも考えられ、資金ショートのタイミングに間に合わない可能性もあります。

1も2も利用できないなら、もう廃業しかない?

いいえ、そんな状況を避け、ゼロゼロ融資を借りている事業者が生き残るためには、「金融機関との関係強化」を図ればいいのです。  

懇意にしている取引先には前向きに支援してくれる

都市銀行や大手地方銀行などの大手金融機関は別ですが、第二地方銀行や信用金庫、信用組合など「地域密着型金融機関」は、懇意にしている取引先に対して積極的に支援しようとするマインドが強いもの。

たとえその事業者の業績が悪化していても、強い関係性を構築していれば、何らかの形で支援しようとしてくれます。たとえば新規融資は無理でも、条件変更による返済猶予には前向きに取り組む地域密着型金融機関がほとんどです。返済猶予してもらうだけでも、資金繰りは多少楽になります。経営改善を行うための時間を稼ぐことができるでしょう。

これからでも遅くありません。生き残るために、現在ゼロゼロ融資を借りている金融機関が前向きに支援してくれるような関係性を構築しましょう。

しかし、どのように?  

前向きに支援してくれる関係性構築の方法

前向きに支援してくれる関係性を構築する有効な方法をお知らせしましょう。

それは、「毎月、経営者自らが取引金融機関を訪問して、前月の業況報告を行うこと」

毎月、経営者自らが取引金融機関を訪問して、前月の業況報告を行うことで、金融機関に事業をよく理解してもらうことができます。

また、経営者自らが取引金融機関を訪問することで、貸付(融資)の責任者と定期的に話をすることができますし、機会が許せば支店長とも話をすることができるでしょう。彼らは決裁権を持っています。何度も話をすることで心理的な距離も近くなり、今後の支援に好影響をもたらしてくれるでしょう。

金融機関の内側

金融機関にとっても、内容をよく知っている事業者とそうでない事業者なら、前者を支援しやすいのは当然ですよね。

稟議書のうえでしか知らない事業者だとシビアな判断になりがちですが、何度も会っている事業者には目をかけたくなるのが、地域密着型金融機関の人々。

「毎月、自らが取引金融機関を訪問して、前月の業況報告を行う」真面目で真摯な姿勢を見ているからこそ、彼らも「何とか手を差し伸べたい」と考えるのです。

また、新規融資の稟議書や条件変更の稟議書が上がってきたとき、よく会って会話している事業者のものなら「何とか支援するように対応しなさい」という指示が上席から担当者へ飛ぶことも少なくありません。  

業況説明に持参する資料2点

「毎月、経営者自らが取引金融機関を訪問して、前月の業況報告を行う」際に持参する資料は、以下の2点です。

1/試算表2/月次事業報告書

  1の「試算表」は、ざっくり言いますと、「月ごとの決算書」です。顧問税理士がいれば、毎月作成してくれます。

2の「月次事業報告書」は、前月の収益の状況を報告するための資料です。「目標・実績対比」「前月の課題の分析」「今後の改善点」を記載します。

この2点を持参して金融機関で毎月説明すれば、支援してもらいやすくなります。とはいえ「月次事業報告書」を自分で作れる経営者は少ないでしょう。そこで、専門家の出番です。  

中小企業のメインバンクづくりを支援しよう

士業・コンサルタントのみなさん、「月次事業計画書」の作成サポートを行い、毎月、経営者と一緒に金融機関を訪問して前月の業況報告を行ってください。

経営者にとって金融機関は「敷居の高い」場所。積極的には行きたがらないのは当然です。

「私も同行してサポートしますから行きましょう。生き残る可能性が高くなりますよ」と士業・コンサルタントが背中を押せば、経営者も行く気になってくれます。あなたの働きかけで、大切な顧客が頼れる「メインバンク」を手に入れることができるのです。

#喜連川 慎也

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