もくじ
金融機関の肩書き
支店長代理の実態
なぜ支店長代理という肩書きが存在するのか
支店長代理の肩書きが役立ったエピソード
金融機関の肩書き
1/一般行員・職員 2/主任 3/係長 4/支店長代理 ←ココから管理職 5/課長 6/次長 7/副支店長 8/支店長
北摂吹田市の資金調達コンサルタント(融資コンサルタント) 喜連川慎也です。
支店長代理は、係長の上、課長の下という位置。そんなに「偉い」役職ではありません。しかし「支店長代理」という役職名から、「支店長の代理の役割を果たす人なんだ」と勘違いされがちです。
支店長代理とは、支店長+代理ではなく、あくまで「支店長代理」。ひとつづきの名詞です。「支店長」を「代理」する仕事は一切行いません。そのような仕事は、「副支店長」が行います。
支店長代理の実態
支店長代理は、一般企業での「管理職」(金融機関では「役席」と言います)の中で一番下の位置づけです。金融機関にもよりますが、早ければ20代後半~30代で支店長代理に昇進します。
金融機関のことをあまり知らない取引先は、30代の支店長代理に「若いのに支店長代理ですか、すごいですね」と感心しますが、ぜんぜんすごくありません。普通です。
昔は部下を統括するようなポジションでしたが、今は一担当者として活動しているケースもよく見られます。
支店長代理は、ある程度の年数務めていると昇進できるポジションです。つまり支店長代理といえども、かならずしも優秀でないこともあるんですね。「支店長代理なら仕事ができる人」と信じるのは早計です。
なぜ支店長代理という肩書きが存在するのか
ここで不思議に思うのは、「金融機関は、なぜ支店長代理という誤解されがちな肩書きを作っているのか」です。
取引先に偉い人だと思っていただき、「こんなに偉い人がわざわざ私に会いに来てくれるんだ」と喜んでもらう目的ではないか…と私は想像しています。だって人間誰しも、自分を特別に取り扱ってもらえたらうれしいですよね。
「特別扱い」に喜んでもらうことで、自行・自庫との取引を増やしてもらいやすくなるのでは…と金融機関は期待していそうな気がします。
支店長代理の肩書きが役立ったエピソード
私が勤めていた金融機関に、ある取引先から怒りの電話がありました。応対する次長の謝罪では納得せず、「支店長に謝罪に来させろ」とのこと。
ところがなんと支店長は、次長に「うまく処理しておいて」と言い残して外出(今もそんな支店あるのかな…)。困った次長が「支店長は不在ですが、支店長代理が謝罪に伺っても…?」申し出たところ、取引先は「代理でもいいから、すぐよこせ」。その支店長代理とは、もちろん私です。
針のむしろを覚悟して伺ったところ、「わざわざ支店長代理にお越しいただいたのだから」と矛を収めていただけました。
このように「偉そうな肩書き」だと取引先の反応が変わることが多々あるため、まるで支店長の名代のような(違いますから!)肩書きを設けたのではないかと推測しています。
優秀な担当者とそうでない担当者では、融資審査が通る確率が天と地ほど違います。ハズレの担当者にあたると優れた企業でも融資が通らない…そんな事例は、残念ながら枚挙にいとまがありません。
#喜連川 慎也
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